石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

狩場におけるワシ、キツネ、カラスの動物模様

昨日(2月14日)の午前11時10分。ようやく狩場に雄のオジロワシが現れました。カラスは狩りをせかしますが、キツネがうろうろしているので、なかなか踏ん切りがつかない様子です。

飛び立つかもしれないと、フライングで撮影した動画を、家のテレビで再生してビックリ。木登りキツネが映っているではありませんか。ずいぶん高くまで登っています。

狩場に目を移すと、氷の上で、今朝3匹目の魚を、カラスが引き揚げようとしています。撮影した動画をチェックすると、カラスの両足には金属の足環があり、左足の環はサイズが小さ過ぎるため、足に食い込んで運動を妨げ、痛々しく見えます。誰がこんなことをしたのでしょう。

そのカラスが引き揚げようとしている魚は、昨年の経験から判断すると、恐らく雷魚です。下の動画は昨年の3月26日に撮影したものです。

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昨日は、氷がまだかなり厚く、しかも、若ワシとキツネの邪魔が入ったので、引き揚げるまで行きませんでした。

下は昨日の映像です。カラス、ワシ、キツネの三角関係をご覧ください。

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私は昼前にあきらめて帰りましたが、「鳥おっさん」と、その前日も午後4時まで見ていたという、辛抱強い老観察者は、雷魚が引き揚げられ、三者の内どの胃袋に納まったか、見届けているかもしれません。

恐らく、キツネか?

後記。今朝(2月16日)の「鳥おっさん」のブログを見ると、やはり、魚はキツネがゲットしました。写真には魚の全体像は写っていませんが、雷魚ではなかったようです。フナの大物でしょうか。

カラスとダイサギの魚捕り

午前9時半、モエレ沼の狩場に着きましたが、残念ながら、陽射しには恵まれませんでした。

狩場にいたのはカラスだけで、オジロワシはなかなか現れません。30分近くたって、カラスが氷の上で、熱心に、何かしていることに気付きました。

氷を割って、氷の下から魚を引き揚げているのです。

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昨年も、3月下旬に、同じような場面に遭遇しました。

その後、ダイサギが狩場に現れ、魚を狙い始めました。撮影している最中は、魚が捕れている確信はありませんでしたが、テレビで再生し、魚を確認しました。

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サギの仲間が魚捕りに成功するのを見たのは、今回が初めてです。狩場には、かなり魚が集まっているようです。

 

モエレ沼の女帝がカワアイサを狩る

モエレ沼の狩場に着いたとき、そこには「鳥おっさん」ご夫妻と、奥様のお友達がいて、水門のブッシュに止また女帝が、いつ水面に飛び込むか、今や遅しと待ち構えていました。

三脚にカメラをセットして15分くらいたったでしょうか。時刻は、丁度、正午に差し掛かるところでした。1羽の水鳥が、見下ろす高さの低空飛行で、狩場を横切り、観音像に向かって飛んで行くのが見えました。残念ながら、オジロワシは見ていません。

「鳥おっさん」は、飛び立ったオジロワシをカメラで追ったが、水鳥には気付かなかった、と証言しています。

その時、数メートル横から、「水鳥がかわいそう」「魚なら殺されてもいいの?」という、異様な会話が聞こえます。二人は、事件を目撃していたのです。

あわてて、立ち木に邪魔されないところまで三脚を移動し、撮影したのがこの映像です。全16カットから編集してありますが、時系列に沿っています。

狩りから食べ終わるまで、約25分間の出来事です。

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長年モエレ沼オジロワシを観察している「鳥おっさん」も、水鳥を襲うのを見たのは初めてだそうです。

狩りが成功した理由として、1)女帝がよほど空腹だったこと、2)カワアイサが1羽で目標が絞られていたこと、が考えられます。

オジロワシの飛翔能力が、水鳥より格段に優れていることを、あらためて確認しました。首を伸ばして直線的に飛ぶ水鳥は、狙いやすいかも知れません。

後記。「鳥おっさん」の鮮明な写真から、獲物は雌のカワアイサと判明しました。黒っぽい動画では、後ろ髪が立っていることから、ウミアイサの雄の可能性も想定していました。

寒波を乗り越えたオジロワシ

久しぶりに暖かさが戻った今日、ワシ見にするか、スキーにするかで迷いましたが、撮影条件は明日の方が良さそうなので、今日はスキーを選択しました。

モエレのスキーは、今シーズン10回目です。1周3キロのコースを3周し、汗ビショビショになりました。

家に戻って着替えると、時々陽が射し、明るくなってきたので、石狩川と防風林の巣の様子を見に行くことにしました。

巣にオジロワシの姿はありませんでしたが、流氷に覆われた石狩河口で、寒波を乗り越えた6羽のオジロワシと出会いました。3羽の成鳥と3羽の若鳥です。

下の動画は、このうち、3羽の若鳥と1羽の成鳥の映像です。

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ノルウェーのオジロワシ、昨年との比較

昨日の、ノルウェーオジロワシの様子です。

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1羽の若鳥が巣の近くをかすめ飛んだだけですが、これで今年に入って、ようやく5本目の映像です。男爵はどうした、と皆心配しています。

昨年は、2月7日の時点で、20本の映像を見ることができます。昨年の映像には、すでに男爵や男爵夫人が何度も登場し、巣を補修する姿も見られます。

不思議なことに、この巣では、ここから巣立ったと思われる若鳥が、頻繁に現れます。

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この巣の主人である男爵は、若鳥に甘すぎると思います。若鳥には、親に対する愛など微塵もありません。男爵は、すでに若鳥に馬鹿にされ、甘く見られているのかも知れません。

男爵夫人は、昨年の10月に消えました。このぶんでは、男爵も、早晩消えることでしょう。

この巣を使った、今年の子育てがどのようなものになるか、とても気になります。

アイオワ州の今の気候は札幌のひと月先

下の動画の最初の部分を見ると、巣の近くにある溜池に氷はなく、多くの水鳥が遊んでいます。これをモエレ沼に当てはめると、3月下旬の風景です。

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もう10日もすると、アイオワ州の白頭ワシは産卵しますが、石狩のオジロワシは、そのさらにひと月先となります。

巣の周りの気候条件を知ると、その理由は明白です。

オジロワシはオジロワシでも

今日の石狩の最低気温は-17℃、日中でも-10℃を切る寒さでした。石狩川は全面氷結し、河口でも釣り糸を垂れる水面はなく、桟橋には一人の釣り人もいませんでした。

そんな中、石狩浜で波乗りをする珍しい動物に出会いました。動画を撮ってYouTubeにアップしようか、とも思いましたが、ヒトでは仕方ありません。

海の水は0℃でも、気温は-10℃以下です。サーフボードとパドルを使い、2メートル近い波を乗りこなしています。この寒さの中、相当な腕前のクレージーな人でなければ、こんなことはできないでしょう。

そんな次第で、石狩川には1羽のオジロワシもいませんでした。どこでどうして、この寒さを乗り切るのか、とても心配です。

家に戻ってテレビを見ていたら、オジロワシオジロワシでも、オジロワシグモという恐ろしく攻撃的なクモが出てきました。

地面にネットを張り、ネットに触れた虫を食べる地蜘蛛がいます。逆に、ネットを揺さ振り、地蜘蛛を誘い出して食べるという、極めて恐ろしいクモです。

クモの体の後部に白い部分があり、オジロまでは分かります。オジログモでいいではありませんか。なぜオジロワシグモなのか、その理由が分かりません。

オジロワシのように凛々(りり)しく、勇敢に、狩りをするからでしょうか。