石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

多神教

つい2年ほど前なら、こぞうの神様、と聞けば、小さなインド象の上に飾られた、ヒンドゥー教の神様を連想したかもしれません。

カセットテープで、「小僧の神様」という小説の朗読を聴いたとき、よくできたいい話だな、とはじめて感心しました。それまで、志賀直哉の「和解」や「暗夜行路」を読んでも、どこが面白いのか理解できず、途中で挫折していたからです。

その後、やはりCDで「和解」の朗読を聴き、さらにウィキペディアを読んで、父と子の確執の原因を知り、学生時代の長い宿題を提出できたような気がしました。それにしても、面白い小説とも、良い小説とも、思いませんでした。

先日、熱い風呂のなかでふと考えました。特に面白い小説を書くわけでもないのに「小説の神様」という、たいそうな称号をあたえられたのは、あの小説のおかげだったのではないかと。

私が、小説の深い味わいを解さない、味覚音痴であることは認めましょう。しかし、志賀が神様なら、一神教じゃあるまいし、ほかにも神様、仏様がうようよ無数にいるような気がします。