石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

オジロワシは平和主義

猛禽類を平和主義者呼ばわりするのはいかがなものか、と思われるでしょうが、モエレ沼におけるオジロワシの様子を見ていると、そうとしか考えられません。

オジロワシの狩りを、今日も2時間待ちました。オジロワシはその間ずっと、狩場の真上に張り出した木の特等席に陣取って、狩りのタイミングを狙っているように見えました。氷が融けて広がった狩場では、数種類のカモとアイサが、泳いだり潜水したりして自由に楽しんでいます。このような状況で、ワシの餌となる大型の魚が、狩場に現れるものでしょうか。

しかし、イライラしているのは、カラスと私たちバード・ウォッチャーだけのようです。カラスはカモ類を追い払おうと水辺の周囲をさかんに飛び交いますが、カモもアイサもほとんど気に留めない風です。オジロワシだって、時にはカモ類を襲うはずです。止まり木の真下で潜水するアイサが浮上するタイミングを狙って飛びかかれば、簡単に捕まえられそうなものです。たとえ、襲撃がうまく行かなくても、アイサがワシを恐れて狩場に近づかなくなれば、魚が集まって狩りがしやすくなるでしょう。

しかし、オジロワシは、この絶好の機会を利用しようする素振りさえ見せません。一撃で殺して食べられる魚がいるところでは、たとえ捕まえたとしても、食べるまでに大変な苦労をしなければならない水鳥を襲うという選択肢は、有効ではないということでしょうか。