石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

オジロワシ、巨大な雷魚をカラスから奪うか

3月26日の出来事の後半です。カラスが、他のカラスやトビを警戒しながら雷魚を食べていると、狩場の主役オジロワシが現れます。最初に現れたワシがこれで、よく見ると嘴の先に黒っぽい部分がわずかに残っており、亜成鳥と思われます。

オジロワシには、平和的な状況で餌をつかんでいる者に対する優先権があるようで、すぐに横取りすることはありません。狭い巣の中で、餌を奪い合って怪我をしないように、優先権が進化したのでしょう。ただし、所有権が分からない状態での餌の奪い合いは激しく、強者が独占するようです。

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その後、カラスが口にくわえた比較的大きな魚の断片を巡って、ワシ、トビ、カラスの一群がひと悶着を起こします。先ほどのワシは、断片を奪って300メートルほど離れた雪原に降り、そこで食べます。騒ぎが収まって、元の場所を見ると、そこには2羽のカラスはいますが、雷魚の姿はどこにもありません。魚はどこへ行ったのでしょう。

おそらく、昨日のフナのように、氷の隙間からスルリと滑って水中に消えたのだろうと思います。雷魚の頭は、まだ水中にあったのですから、水中に戻すのは比較的簡単です。ワシに奪われるより、水中に隠すことを、賢いカラスは選択したようです。昨日の経験から、学習したのかもしれません。

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別のワシが雷魚の消えた氷の上に立って、盛んに氷の下を覗きこんでいます。氷はほとんど透明で、厚さは2センチ以下です。氷の下に魚が見えるのかもしれませんが、先の曲がったワシのトビクチでは、氷に穴は開けられません。氷に穴を開けるには、先が真っ直ぐ伸びたカラスの鶴嘴(つるはし)が便利なようです。このワシは、すぐにあきらめて飛び去ります。

しかし、300メートル離れた雪原には、先ほどの亜成鳥がいて、カラスが雷魚を掘り出すのをじっと待っています。

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しかし、カラスに依存するオジロワシに、興味はありません。

言い忘れましたが、最後に現れた3羽目のオジロワシの成鳥は、トビが食べていた別の魚を奪って南の空に飛び去りました。