石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

魚の頭より尾を好むオジロワシ

オジロワシが魚を食べる様子を観察すると、どうやら、頭より尾の方を好むようです。雷魚などの大きな魚を食べるとき、ワシは食べやすい中央部から食べ始めます。中央部を食べ進むと、いずれかの時点で、魚は、どうしても頭部と尾部に分離します。

ワシとしては、両方とも食べたいのはやまやまですが、周りにいる狡猾なカラスが許してくれません。結局どちらか一方を選択しなければなりませんが、ワシは決まって尾の方を選びます。大型のコイ科の魚、鯉またはソウギョ、でもそうでした。今回は、尾を飲みこむところまで、はじめて撮影することができました。

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でも、どうして尾を選択するのでしょう。鮭を、頭から尾まで食べた経験から判断すると、私なら頭を選びます。頭には、最高に旨い目玉と氷頭(ひず)があるからです。雷魚や普通の魚には氷頭は無いかも知れませんが、目玉とその周囲はどんな魚でも最高に旨く、また、脂の乗ったカマが付いてきます。

頭部がこれほど魅力的なのに、ワシは、なぜ頭部を捨ててまで尾部を選ぶのでしょう。ワシにとって、尾部は、頭部以上に魅力的なのだと思います。ワシが尾部を食べる様子を見ると、大変な力を使っていることがよく分かります。尾部の皮と筋肉は、魚の他の部位と比べ、格段に丈夫にできているからです。

加熱して食べる、我々人間には理解できませんが、尾部の頑丈なコラーゲンとプロテオグリカンには、強い魅力があるようです。そういえば、ヒグマも、鮭が豊富に獲れるようになると、軟らかい身やイクラは食べず、贅沢にも、皮や尾部しか食べなくなるといわれています。皮や尾のチュウインな噛み応えが、たまらなく美味しいのではないか、と密かに想像している私です。