石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

ヒグマの好む鮭の部位別ランキング

6月7日の「魚の頭より尾を好むオジロワシ」の中で、過去の印象にもとづいて、ヒグマも鮭が豊富に獲れるようになると、皮と尾しか食べなくなる、と書いてしまいました。そのことが気になり、昨夜、鮭を食べるクマの動画を、YouTubeで徹底的にチェックしました。

痩せた若いヒグマや子連れのヒグマは、間違いなく、鮭を食べ切ります。河口付近で獲れる脂の乗った、いかにも旨そうな細身の鮭も、完食されます。クマが、鮭の身を残す例は、鮭がきわめて豊富な環境で、狩りの上手な肥った雄クマに限って、稀に見られる現象のようです。

しかし、動画を詳細に観察すると、クマにも好みがあり、好みは食べる順番に現れているようです。クマには、好きなおかずを最後まで取って置く習性はありません。食べやすい順番に食べているわけでもなさそうです。結局全部食べるなら、食べやすい所から食べ、間にサラダのようなさっぱりした部位が入ったとしても、次に食べる濃厚な部位の味わいが増すから構わない、という考えは、クマにはないのです。

好みの、旨い部位は、量が少なくても、他の部位と分けて食べます。明らかに、好みの部位を、味わって食べているのです。クマは、好きな順番に食べ進みます。食べる順番は、アラスカのヒグマも、北海道のヒグマも、クロクマも、基本的に変わりません。

クマが最も好む部位は、何といっても皮です。身を含まないように、器用に剥がして食べます。次は、尾びれを含む尾部で、ここは皮といっしょに食べてもいいと思っています。3位は、氷頭(ひず)で、4位にイクラを挙げたいと思います。イクラの順位に関しては、脂肪分も多く栄養価の高さから、氷頭との差を微妙とする判定者もいるかも知れません。

やや主観が入るようですが、クマは脂肪分だけで好みの部位を決めていないと思います。脂肪のコクとコラーゲンやプロテオグリカンの噛み応えの加味された、微妙な味わいを楽しんでいるように見えるからです。頭からは、氷頭だけを噛みとって、旨そうに食べます。

クマは、口を開けてクチャクチャ噛みますが、決して、口いっぱい頬張ったり、丸呑みしたりはしません。