昨日、久し振りにモエレ沼に行ってきました。雪は、松林の陰にわずかに残るだけ。沼は平和な陽光に包まれ、ワシが飛ぶ気配はまったくありませんでした。ピンクの小鳥を見つけ、撮影の準備が終わって見ると、そこには既にピンクの影はなく、しばらく待ちましたが、戻ってきませんでした。ベニマシコだったかもしれません。
「鳥……おっさんのメモ」からもオジロワシの姿は消え、大部分のワシは樺太経由で、シベリアの静かな川や湖沼へと戻ったのでしょう。雪と氷の消えたモエレ沼は、水鳥と小鳥の天国、人々の行楽の適地であっても、猛禽類の狩場としては相応しくありません。
夏のあいだ、雷魚やソウギョには、冬のワシのために、大きく育ってもらいましょう。人間の天国はワシの地獄、ワシの天国は人には住みにくい世界です。