巣のある木は、太い枝が横に大きく張り出し、西向きに広い開口部をもっています。つい先日まで、バード・ウォッチャーにとっては、いつまでも楽に観察ができる反面、強い西日を遮るものが無く、オジロワシには気の毒だな、と思っていました。
ところが、5月の末から、あれよあれよという間に若葉に被われ、今や、巣は葉の間からわずかに覗く程度となってしまいました。しかし、枝は、そんなに急に伸びません。巣のある木を被い尽くしたのは、枝と葉ではなく、よく見ると複葉です。
複葉とは、枝のように見える長く伸びた葉柄に、細長い葉のように見える子葉が7~11枚ついたもので、これが全体で1枚の葉に相当します。そのため、数日で、幅20センチ以上、長さ50センチにも成長することができるのです。
ヤチダモはトネリコの仲間で、材質が硬く、かつ柔軟性があるため、硬式野球のバットにも使われています。昨年の台風21号でも倒れませんでした。
オジロワシの子育てに、末永く使ってもらいたいものです。