台風一過。空腹のチュウヒが狩りを見せてくれるのでは、と期待して石狩川の河川敷に来ました。
案の定、土曜日の河川敷には、長い釣り竿を振って、重りの付いた釣り糸を遠くに投げる競技の練習をしている人がいました。しかも、車は2台です。
それでも、芦原を虱潰しに探して、ようやくチュウヒを発見しました。1羽では、これが金髪のジョニーか、紅髪のジェニーか区別がつきません。白斑の広がりから、金髪のジョニーだろうと推測しましたが、どうでしょう。
金髪のジョニーは飛び立って、堤防の上で、ほかのチュウヒと対面しました。私はこれを、金髪のジョニーによるスクランブルと解釈しました。芦原を狩場として占有した金髪のジョニーが、ほかのチュウヒを追い出している、と考えたのです。スクランブルをかける相手のチュウヒは、1羽のときと2羽のときがありましたが、後者の撮影には成功していません。
狩り場に侵入するのは、ほかのチュウヒだけではありません。チュウヒより大きいトビが、低空飛行で何度か侵入してきました。
縄張りを守るチュウヒのスクランブル、というストーリーを考えて、今日の撮影を終わろうとしているとき、もうひと展開ありました。
紅髪のジェニーが、川岸の灌木の陰で、金髪のジョニーに近づいているではありませんか。なんだ、結局、2羽は仲良しのままということ?
実験では、人工的に合成した様々な遺伝子を細胞に発現させ、色々な薬物を培養液に加え、こちらで条件設定をして、細胞の反応を観察することができます。野性のチュウヒに、狩りを強制する手段はありません。ただひたすら、辛抱強く、観察するだけです。