50年も前の高校時代、家の前には水田が広がり、視界をさえぎる障害物といえば、数百メートル離れた並木道の、ユトリロの絵にも出てきそうな、マロニエの並木しかありませんでした。そして、その上に、札幌のテレビ塔が見えていたのです。
水田が宅地に整備され、住宅が建ったのは、結婚した後のことで、35年ほど前になります。それ以来、我が家からテレビ塔は見えなくなりました。それでも、家々の間から、わずかに山波が見え、右手には手稲山の山頂が見えます。
今朝、当別川の堤防から、札幌の駅ビルと恵庭岳を見て、こんなに低い場所から、はっきり見えることに感動しました。
夕方、レースのカーテンを開け、住宅の隙間から、清んだ空気を通して、わずかに見える山の姿を見て驚きました。ネットで山の形を確認しましたが、間違いありません。なんと、それは恵庭岳だったのです。学生時代には、何のありがたさも感じずに、無感動に見ていた山です。まだ、見えていたとは。