天気が大荒れだったので、アマゾン・プライムの映画を「2本立て」で観ました。「ハゲタカ」と「メアリーとエリザベス」です。どちらも十分見応えがありました。
日本経済を再生するには、ハゲタカが必要ではないか、と考えていた所だったので、私にとっては、タイムリーな選択でした。リーマン・ショックの直後に封切られた映画で、サブ・プライムのバブル崩壊を巧みに組み込んだ筋書きは斬新です。
元祖ハゲタカの鷲津が、中国の国策ハゲタカ・ファンドから、日本の倒れかけた自動車会社を守る、というストーリーは面白く、よくまとまっています。
ただし、守っただけで大変革の方向性は不明です。できれば、日本企業の遅れた面をもっと深くえぐり出し、間伸びした描写をカットして、娯楽性を高めて欲しいと思いました。
一方の、スコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベスが対立した時代は、日本でいえば戦国時代のように人気があり、何度も映画化されています。
メアリーは、エリザベスより血筋が上であるかのように振る舞いますが、その理由を理解するには、イギリスの歴史と王位継承制度の高度な知識が必要かもしれません。
この映画は、女王の結婚が極めて困難であることを描いています。結婚相手の男が、女王の夫では満足せず、王権を求めるようになるからです。日本では、このような恐ろしい経験はまだありませんが、今話題の、女系天皇の問題点を考えさせる、優れた映画だと思いました。
独身を守ったエリザベスの死後、エリザベスによって処刑されたメアリーの一人息子であるジェームズが、スコットランドとイングランドを統治するという皮肉な歴史の推移も、日本では考えにくい展開です。