定期的に入れ変わる、石狩図書館ロビーの壁に貼られた写真を見て、ずっと気になっていた植物の名前が、アブラガヤであることを知りました。湿原でよく見る植物で、その姿から、野生の稲ではないか、と私は考えていました。
アブラガヤという名前から、野生の稲ではないが、栄養価の高い有用な植物で、秋から冬にかけて、小鳥がその実を食べて栄養補給をしているに違いない、と私は確信しました。
ネットで調べると、アブラガヤの属するカヤツリグサ科はイネ目に属し、予想通り、稲と近い関係にありました。しかし、アブラガヤの名前は油成分が多いからではなく、油焼けしたような色と匂いに由来するといいます。その上、いくら探しても、その実を小鳥が食べているという記述は出てきません。
イネ科に属するススキの実は、ホオジロ、アオジ、スズメなどがじょうずに食べるという報告があるので、稲の穂のように垂れ下がったアブラガヤの穂にあるという、大きさ1ミリ程度の実は、小鳥にも利用価値がないようです。大変失望しました。