ステージ4のすい臓がんで闘病している森永卓郎氏が、日本を「財務真理教」の呪縛から脱却させる妙案を、畢生(ひっせい)の書の中で披露しています。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79806
税収の増加を目指すべき財務官僚が、なぜ増税しか考えられないのか。
その秘密は、
1.財務省内では、増税を「勝ち」、減税を「負け」と呼んで、増税を実現した官僚は栄転したり、よりよい天下り先をあてがわれる。
2.さらに消費税率の引き上げに成功した官僚は「レジェンド」として崇め奉られる。
3.一方、経済規模を拡大して税収を増やしても、財務官僚にとってはなんのポイントにもならない。
というのです。
増税しても税収が増加するとは限りません。消費増税や所得増税により経済成長が止まると、むしろ税収は減少します。それが、失われた30年の現実です。
森永氏は「財務真理教」の呪縛から脱却するため、極めてわかりやすい例を提示します。阪神タイガースに学べと。
18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガースは、攻撃面で見ると、チーム打率が突出して高いわけではない。
しかし、出塁率はダントツの1位だ。その理由は、選んだ四球の数が圧倒的に多いからだ。
ヒットだろうが四球だろうが、塁に出るのは同じだ。
そこで岡田監督は、フロントに掛け合って、選手の成績評価で、四球獲得に与えるポイントを高めてもらったという。これにより四球を選ぶ選手が劇的に増えた。
森永氏は、タイガースにならって、財務省内のポイント制を変更しなければならないというのです。
変更点はシンプルです。
増税を主導した官僚にマイナスポイントを与え、経済拡大に伴う税収増を実現した官僚にプラスポイントを与えるのだ。
そのために官邸が財務省から人事権を取り上げ、個別に官僚の人事評価をすればよいのではないだろうか。
私は、森永卓郎案に全面的に賛成します。