石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

塩ウニとカラスミ

室蘭の道の駅で車中泊をしているとき、いかにも身体に悪そうな物が、なぜあんなに美味しく、魅力的なんだろう、と考えていました。

鳥おっさんが時々ブログで紹介する、熟成したパイプたばこの何と旨そうなこと。ねっとりと発酵したように見える色合いは、昔、五番館の食品売り場にあった、高価な塩ウニのマーブルのような断面を連想させます。ねっとりと口蓋にへばり付く、あの濃厚な旨味。生ウニからは想像もできない味です。酒とともに舐める塩ウニの消費量と寿命は、反比例しているに違いありません。

同じことはカラスミにも言えそうです。有害な過酸化脂肪の生成を抑えるため、食品を日光や紫外線からガードすることは、食品関係者の常識です。この常識をあざ笑うかのように、塩漬けしたボラの卵巣が飴色に変わるまで、あえて天日にさらし、脂肪酸を酸化させることは、カラスミ製造にとって必須の工程です。口に含んだとき、ねっとりと口蓋にへばり付く、あの危険な旨味を醸成するには、強烈な直射日光は不可欠なのです。カラスミの消費量と寿命が、反比例していることは、疑いありません。

過酸化脂肪のスリリングな旨味を手軽に味わうなら、ニシン蕎麦を食べることです。熟成した身欠きニシンの、酸化したDHAEPAの強烈な風味。あの口蓋を刺激する旨味を一度味わったが最後、その魅力から逃れることはできません。身欠きにしんの消費量と寿命が、反比例していないことを願うばかりです。