石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

小泉八雲「蚕(かいこ)」の反キリスト教

小泉八雲ラフカディオ・ハーンが、キリスト教の根強い伝統をもつ欧米社会では正当な評価を受けていない、という解説を読んだことがあります。

早朝に「蚕(かいこ)」の朗読を聴き、むべなるかなと納得しました。

https://www.youtube.com/watch?v=YxqWDE3AWWE

カイコに、家畜化された昆虫の究極の姿を見、ダーウィンやスペンサーの進化論を想起するのは、ラフカディオ・ハーンが生きた時代の生々しい息吹きを反映しているでしょう。

現代の日本人にはとても新鮮な発想です。

ハーンは、極東の優しい子女の手で、なに不自由なく育てられているカイコの境遇を、キリスト教の創造主が善男善女に再生を約束している”天国”と見抜きます。

なに不自由ない天国では、人類の高度に進化した機能はすべて不要となり、芋虫に退化・変身してしまう、というのですから、敬虔なキリスト教徒に受け入れられるはずがありません。