地球温暖化のお陰で、9月というのにT-シャツ姿で、庭でくつろいでいると、遠くから高射砲のような音がします。これはと思案を巡らしたところ、今日は、いつもオジロワシを見に行くモエレ沼で、年に1度の、野鳥払いの花火大会です。
あわてて、階段と梯子段を昇り、家で1番高い窓から南東の方角を望みました。直線距離で6キロ、あいだに高い建物はひとつもありません。それなのに、音はすれども、花火は見えず。
料金を払わない人には見えないように、ずる賢く、打ち上げの火薬を最小限度まで減らしているのでしょう。
このしみったれ野郎。花火を見るのに金を取るなんてほうがあるもんか。べらぼうめ。花火なんてもんは、大儲けした紀伊国屋文左衛門が、見栄を張って、町人を楽しませるために打ち上げるもんだ。金を取って花火を見せるなんて、しみったれた興行をどこの唐変木が考え出したんだ。やめっちまえ、このおたんこなす。
という、坊ちゃんの罵詈雑言が、頭の中でこだましました。
でも、鳥おっさんは、自宅の庭の特等席で美酒を味わい、薫り高いパイプ・タバコを燻らしながら、「たぁまやー」と叫んでいそうです。