道民割を利用して、道内を旅行している時、ふと、私が自治体の首長なら、核廃棄施設を受け入れるだろうな、と考えました。
地下に巨大で美しい施設が建設され、その管理とメインテナンス、そしてより安全で効率的な処理と保管方法を研究するため、毎年、数百億円ないし数千億円の投資と補助金が半永久的にもたらされます。もちろん、これが無ければ、受け入れることはありません。
施設は、核廃棄物を人の目に触れない地下に隠蔽する、核の墓場ではなく、美しく安全に保管されていることを全世界に公開する、壮大な展示場となります。観光客は、明るく、広々とした施設内を、安全な乗り物で、隅々まで見学することができます。
保管施設、研究施設には常時、数百人の作業員と研究者が生活し、観光客用の施設を含めると小さな町が新たにつくられることになります。
地上で生産される牛乳に風評被害があるかもしれない、と不安に思う農民もいるでしょう。科学的には、放射性廃棄物を完全に封じ込める施設ですが、風評被害とは、科学的根拠のない風評による被害です。理解が進むまでは、十二分に保証される必要があるでしょう。
キュリー夫人のノーベル賞がもてはやされた時代、ラジウム温泉さえ効能豊かな温泉となり、観光客を呼び寄せました。科学的根拠のないパワースポットも、同じ、風評のポジティブ効果です。風評被害も風評効果も、いずれ根拠のないものは、長続きしません。
