7月最後の日、石狩沼田のホタルの里で、蛍を見てきました。昨年に続き、二度目です。
今回は、二度目ということで余裕をもって、午後8時までホテルのレストランでゆっくり夕食を摂った後、真っ暗になった遊歩道に入りました。歩道と湿地の境界に張られたロープのLEDライトがなければ、とても歩けない暗さです。
湿地に生える草の上や、山側に立つシラカバの枝の間を、多くの蛍の光が舞い踊っています。感動的な光景です。飛び交う蛍の密度は、昨年よりも高く感じられました。
昨年は、午後6時ころから遊歩道を歩き回り、見に来るのが遅すぎたろうか、蛍の季節はもう終わったのかもしれないね、と妻と語りあったことを思い出します。
なぜ暗くなる前から蛍が見えると考えたのか、それには理由があります。35年前、私たちは、アメリカ東部メリーランド州のロックビルという町にいました。
当時、ワシントンDCの郊外にある米国立衛生研究所(NIH)には300人以上の日本人が留学し、その多くがロックビルのアパート群に住んでいたのです。
私たちのアパート群には、テニスコート、プール、野球場、そして、バーベキューをする場所がありました。バーベキューは、まだ明るいうちからはじまります。夕方になると、どこからともなく大量の蛍があらわれて、あたりは幻想的な世界に変わります。子どもたちは、歓声をあけて蛍を追います。小さな子供連れのバーベキューが、暗くなるまで続くことはありません。
若くて眼の感度が今より良かったのは間違いありません。ロックビルの蛍は、日本の蛍と明らかに種類が違います。川や湿地がなくても生息できる種類かもしれません。真っ暗にならなくても見える、何か特性をもっているのではないか、と私は考えています。