この春、古い友の訃報に接し、「ねがわくは山法師咲く夏死なむ エゾセンニュウの声を聴きつつ」という歌を詠みました。
若葉の茂った山法師の木を、二階の窓から見下ろして、まだ緑色の小さな花が、わずかに見え始めたことに気付きました。
山法師は、30年以上前にアメリカで見た、ハナミズキの代わりに植えたものです。ハナミズキの育成に失敗し、同じミズキ科の高山植物である、ゴゼンタチバナを植えたこともあります。
「羅臼岳 霧雨けぶる山道に その名も清きゴゼンタチバナ」30年前、友人と斜里岳、雌阿寒岳、羅臼岳を登ったときに詠んだ歌です。
最初に植えた山法師は、20年以上前、池袋のデパートの屋上で買った苗木でした。山法師の育成にも、何度か失敗しましたが、最近ようやく安定してきました。
山法師の花を、家紋にデザイン(3月11日)するくらいですから、よほど思い入れがあるのでしょう。