NHKのBSで再放送されている「おしん」では、現在、おしんの第二子が生まれようとしています。運悪く、世話になっている夫の実家では、同時期に、嫁に行った娘が家に戻り、最初の子を出産するところです。姑は、もちろん、実の娘のことしか眼中にありません。
もっと恐ろしいことに、姑は、1つの家で、同時期に2つの御産が重なると、どちらかの子が死ぬ、という古い言い伝えを信じ、恐れています。ドラマの中では、これを根も葉もない迷信のように扱っていますが、実は、これは迷信ではありません。人類が貧しかった時代には、家族が実際に手を下し、実行してきたことなのです。
貧しい家族に、二人の赤子を育てる力などありません。マルサスの「人口論」には、双子の場合も、どちらかが犠牲になった、と記されています。人類はそういう恐ろしい歴史をくぐり抜けてきた、ということです。
以前も書きましたが、「愛とは何か 悟りとは何か」は私の「人口論」です。