今朝、1週遅れで見たワイルドライフは、オランウータンがなぜ単独生活をするのか、これまで想像したこともない、驚くべき理由を教えてくれました。
その理由はきわめて単純でした。オランウータンのすむボルネオの密林は、餌となる果実が意外にとぼしく、群れが集団で食べるられるだけの量をひとところで確保することが不可能だから、というのです。目から鱗が落ちました。
これまで私は、ヒトを含む類人猿の家族が進化する、第一段階として、オランウータンは社会性がとぼしく、集団生活を好まず、樹上には危険な肉食獣がいないため、母ひとり子ひとりの母子家庭を、自ら進んで選択した、と考えていました(「愛とは何か 悟りとは何か」)。
ところが、約10年の周期で起こる、いっせい開花、いっせい結実によって、密林に果実が豊富に実ると、子連れの母親や若いオランウータンはひとところで一緒に食べ、子供たちは楽しく遊ぶ、というのです。
少なくとも、雌や若いオランウータンの社会性は、密林の食糧事情によって、抑制されていただけだったようです。