石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

謎の猛禽類「ハクモンチュウヒ」の正体解明か

突然ですが、トラの耳を後方から見ると、どのように見えるか、ご存知でしょうか。

当然、1.トラの体色と同じ縞模様、2.縞の色である黒、または、3.地の色である茶、と想像されます。

しかし、正解は、黒丸に白斑、という極めて目立つ目印模様となっています。

一般人が、この「虎耳状斑(こじじょうはん)」に気付かないのは、トラを見る時、立派な顔だけに注目するからです。

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私たちバーダーも、鳥を撮影するとき、顔や眼が写る、鳥の斜め前方から撮るのが普通です。

今が最盛期であるハチクマの渡りを撮影する場合でも、顔と綺麗な縞模様が見える、斜め前方から見上げる角度が理想的であり、顔も縞模様も見えない、真後ろから見下ろす角度は最悪です。

しかし、謎の猛禽類「ハクモンチュウヒ」の特徴である、風切り羽のすぐ内側にある、大きな白斑と、その内側の薄いV字型の白斑は、背面の模様であり、背後から見下ろす角度で撮影するのが最適です。

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前置きが長くなりましたが、謎の猛禽類「ハクモンチュウヒ」の正体が、今回、どうやら解明されたようです。

きっかけは、最近、渡辺義昭さんが2011年に撮影された下の動画胆振地方の猛禽類2011」を見直し、1分30秒から2分20秒にある、ケアシノスリの背面の模様にハッとしたことでした。

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その後、念のため、今回スロー再生する、5月18日に撮影した、飛び去るノスリの後ろ姿を見て、これは「ハクモンチュウヒ」の特徴、そのものであることを確認した次第です。

ただし、ノスリやケアシノスリのすべてが「ハクモンチュウヒ」のように見えるわけではありません。

年齢によるものか、色合いによるものか、個体差なのかは不明ですが、白っぽく見えるノスリの一部に当てはまるようです。

トビに次いでごく普通に見かける猛禽類ノスリを、顔の見えない、背後から撮影する人はいません。そのため、気付くのが遅れたようです。

発見者としては誠に残念ですが、「ハクモンチュウヒ」は、一般人が気付かない、「虎耳状斑」のノスリだった、と諦めるしかありません。

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