「土偶を読む」という本の書評は、最近、一部とはいえ、新聞の書評欄で読んだ記憶はあるあるものの、まったくピンと来ませんでした。
この動画で著者の話しを聞き、眼から鱗が落ちました。
土偶は、縄文時代の主要な食べ物である、栗、栃の実、クルミ、サトイモ、稲、ハマグリなどをかたどった精霊だというのです。あのハート型の頭は、割ったクルミの形だというのです。
真理とは、それが発見されるまで、誰の目にも見えず、たとえ視界に入っても、それと気付かないものです。しかし、ひとたび発見されると、それは瞬く間に常識となり、誰もが何の疑いもなく受け入れるものです。
土偶=食物(多くは植物)の精霊説は、真理の要件を備えているようです。
対談者は言います。この本を読むと、土偶はそのようにしか見えないと。土偶が発見されて130年間、そんな簡単なことに、なぜ誰も気付かなかったのか理解できないと。
土偶は、縄文時代の農耕の主役であった女性が、食物をかたどった精霊をつくり、食物の豊饒を祈願したものと想像されます。
縄文時代は、独創性の高い文化をもった、世界的にも珍しい平和な時代と考えられています。農地をめぐって戦争が起こった、弥生時代とはまったく別の世界です。
「土偶を読む」を注文しました。「銃・病原菌・鉄」のような本であることを期待したいです。