石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

太宰治「酒の追憶」と酒のマナー

実家が真宗の寺だったので、居酒屋で育ったように、子供の頃から酒飲みのさまざまな生態を日常的に見てきました。

そのせいか、太宰治「酒の追憶」を聴くと、酒のマナーについて、確かに、昔はそうだった、と合点がいきます。

お酒とは、燗をした銚子から小さな盃(さかずき)でチビチビ飲むもの、という常識は、私の子供時代にも生きていました。

太宰が「酒の追憶」で、とんでもない飲み方として否定したのは、

1.手酌(てじゃく)で続けさまにガブガブ飲む:不逞の輩として、社交界からは追放される。

2.燗をしない冷酒(ひやざけ)をこっそり飲む:見つかると勘当ものの所業。

3.芸者が茶碗で冷酒を飲む:冷酒は身体に毒だからと、まるで服毒自殺をとめるように、必死にとめる、新劇のクライマックス・シーン。

4.酒とビールのチャンポン:豪傑だけに許される命がけの所業。

https://www.youtube.com/watch?v=MmSLCnUC6tE

手酌、冷酒、チャンポンは、その当時、言い訳をしなければ許されない、異常な飲み方でした。

それが今では、とりあえずビールから、日本酒、ワイン、ウイスキーへとチャンポンし放題、冷たいのから熱いのまで、何のタブーもありません。

とは言え、燗酒を小さな盃でチビチビ飲む、そういうスタイルをどうかして身につけたいと思う、今日この頃です。