先日、石狩図書館でニューズウィーク誌の巻頭漫画を見て、強く印象に残りました。
コウノトリが、80億人目の赤ん坊をくわえて飛んでいる漫画です。
ヨーロッパのコウノトリは、初冬のこの時期、暖かいアフリカ方面にいるでしょうから、80億人目の赤ん坊を運ぶため、特別にヨーロッパ方面をめざしていると思われます。
コウノトリは、赤ん坊をどこへ運ぼうとしているのでしょうか。
コウノトリの眼下には、アフリカからヨーロッパをめざして地中海を渡ろうとする難民ボートが、鮨詰めの男女を運んでいます。
さらに遠くを見ると、黒海のむこう、ウクライナ方面で、ロシア軍の爆撃によるとみられる黒煙が、そこかしこから立ち昇っています。
80億人目の赤ん坊は、間違いなく、上のどちらかに運ばれるでしょう。
なぜなら、赤ん坊は、豊かで平和な国より、貧しく危険な土地でたくさん誕生するからです。
日本も例外ではありません。
日本で最もたくさん赤ん坊が生まれたのは、衣食住が極度に欠乏した、敗戦直後の焼け跡でした。赤ん坊など誰も望まない、産んではいけない状況下で誕生していたのです。