石狩のワシ派、タカ派

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黒田総裁の最後の会見に見る日本の非常識

黒田日銀総裁の最後の会見を、大変興味深く見ました。

デフレ退治のためにやれることは全部やった、と自信たっぷりの黒田さん。

やったことは、

1.国債を大量に買う異次元の金融緩和。

2.株式市場からETFを大量に買い付け、市場を活性化。

3.マイナス金利を維持するイールド・カーブ・コントロール(YCC)。

対する記者団は、日本人の常識をもって、それらを全てやり過ぎと考え、プラス面よりもマイナスの面を強調し、黒田さんから反省の弁を引き出そうとします。

日銀が買い入れた大量の国債ETF、そしてゼロ金利政策を、黒田総裁の残した負の遺産とみなし、後任の植田総裁の出口戦略が大変だと考えます。

しかし、黒田さんは、経済記者や市場関係者の常識は世界の非常識と見抜いているようです。

黒田さんは、大量の国債ETF負の遺産とは全く考えないといいます。

当然です。それらは、日本の景気が過熱し、過度なインフレとなった時、インフレを退治するための強力な武器として、次期総裁に渡される貴重な宝物だからです。

黒田さんが目標としていた2%のインフレを達成できなかったのは、ひとえに、財務省が信奉し、経済記者や市場関係者の常識となっている、デフレ下でさえも国債発行を悪と見る、財政収支均衡思想にしばられ、財政出動が不十分だったせいであり、黒田さんのせいではありません。

黒田さんは、やれることは全部やったのです。