石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

チュウヒの渡り

「チュウヒの渡り」に限らず、チュウヒの生態全般にわたる、最新の研究成果を網羅した専門サイトを発見しました。

circusspilonotus.web.fc2.com

多田英行氏が管理するサイトで、2013年に開設され、毎年、新たに情報が加わり、充実してきたようです。文献も豊富で、専門家らしく、学術的かつ分かりやすく説明されています。しかし、残念ながら、昨年の11月末以降、更新されていません。

チュウヒの渡りについては、

繁殖終了後に繁殖地から姿を消す親鳥が多いことから、8月中旬~8月下旬が秋の渡りの開始時期だと思われる。また、繁殖に失敗した個体の中には夏の間に繁殖地から姿を消すものもいる。ただし、繁殖地から姿を消してもすぐに越冬地に向けて長距離移動するわけではなく、近距離の移動にとどめている場合もあるようである。北海道では、繁殖終了後の成鳥が繁殖地から約20~80km離れた場所で1~2か月間過ごし、その後に越冬地への渡りを行った事例がある(先崎ほか 2015(a),浦 2015)。一部のヒナは繁殖地に留まるが(中川 1991)他のヒナは親より少し遅れて越冬地へ向かう。

と書かれています。

また、北海道で繁殖したチュウヒの越冬地については、

北海道で標識した個体では、9月下旬に渡りを開始し、茨城県まで(直線距離750km)を7日間で移動した記録がある(浦 2015)これらのことから、北海道や東北で繁殖した個体の移動は最大でも関東付近まで

と考えられているようです。