評論家の山崎正和氏が、12月18日、産経新聞の「ニュースを疑え」という欄に、表題のようなインタビュー記事を載せています。ずっと気になっていたのでしょう。夜中に目を覚まし、ネットで検索してみました。
有料の記事なので、初めの数行しか読めませんが、山崎氏は最近、弟の孤独死について告白し、「日本人の孤独(死)は勝ち取ったもの。どこが悪いのか」と、孤独(死)を否定的に見る風潮に疑問を投げかけた、と言います。
「孤独死、どこが悪い」という表題を読んだとき、私は出家乞食の道を選んだゴータマ・ブッダと仏弟子たちの死を思っていました。ゴータマ・ブッダはアーナンダに看取られ、その死は美しい伝説に加工されています。
しかし、釈迦の十大弟子には、教団を継承したアーナンダ以外、特別に美化された死にかかわる伝承はありません。乞食遊行の道を選んだ以上、野垂れ死に、孤独死は覚悟の上です。
出家して家族を捨てたのですから、孤独死は、少しも異常なことではありません。皆「孤独死、どこが悪い」と言っているような気がします。