心配していた通り、雄のオジロワシは、今年もやはり、どうしようもない馬鹿でした。賢い雌が、どうしてこんなダメ雄をパートナーとして選んだのか、理解できません。
午後2時、曇天・強風の観察場所に着いたとき、巣では雄が抱卵していました。周りを双眼鏡で探すと、50メートル北の木に、GFが止まっています。
雌の留守中は、いつも雄と一緒なのに、GFはなかなか巣に近づきません。昨日の見せしめが効いて、不倫関係が終了した可能性を期待しましたが、2時45分、GFがついに巣に侵入します。
最近の傾向から、GFは相手にされないだろう、と雄を信頼したのが間違いでした。ちょっと眼を離したすきに、雄が立ち上がっています。2時53分、あろうことか、雄が抱卵を放棄して、茨戸方面へ飛び立つではありませんか。
一瞬、残されたGFが、代わりに抱卵をするのでは、と淡い期待を抱きました。しかし、GFは、いつものように雄の尻を追い駆けます。
卵は、今、遺棄された状態にあります。雌に事故が起こり、朝からズーっと戻っていないのかもしれない、という不吉な想像が頭をよぎりました。
2時59分、2羽のカラスが、鳴きながら巣の上を飛びました。私は、つい最近、カラスが白頭ワシの卵をくわえて、巣から飛び去る映像を見ています。
3時05分、車の背後から、低空飛行で、巣に向かって飛んで行く、ワシの姿が眼に入りました。嬉しいことに雌でした。卵の放置は12分間で終わりました。
今回は事なきを得ましたが、この先、馬鹿な雄に巣を任せて、雌は、狩りに行けるでしょうか。