危惧していた悲劇がついに起こりました。
起こるべくして起こったことで、驚いてはいません。
10時20分、観察地点に着いたとき、巣にはGFが立っていました。急いで三脚を立て、カメラをセットして撮影を始めます。近くに、雄も雌も見当たりません。
しかし、実は、雌が巣のすぐ近くにいたのです。そして、悲劇はすでに終っていたのです。
10時29分、GFが抱卵を始めたと思い、撮影スイッチを押すと、木の陰にいた雌が、突然、巣に飛び込み、GFを追い払います。 しかし、雌の行動はいつもと違っていました。
すぐに抱卵を始めないのです。中腰にはなりますが、抱卵姿勢はついに取らず、10時31分、巣を出ます。
雌も、そしてGFも、巣の近くにしばらくいましたが、10時46分、2羽ともに消え、巣は完全に放棄されました。
悲劇は、私が着く前に終わっていました。 これは、私の想像です。
昨日の夕方から今日の早朝にかけて孵化があり、雛が生まれます。貯食がなかったため、雌は雄に雛を任せ、狩りに出かけます。
雌が飛び去ると、GFは雄を巣から追い出し、雛を殺して食べます。雌が魚を捕って巣に戻ったとき、雛は影も形もありませんでした。
雌は、巣の近くで茫然としています。
GFは巣に入って、雌が捕ってきた魚を食べます。
巣には、他に卵はなく、昨年と同じく、今年も雛は1羽だけでした。
空いた巣にGFが入り、雌がGFを追い払う。同じことが、何度か繰り返されました。
私が見たのは、その最終回だったのだと思います。