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大吟醸酒が安い

今でも、冬の鍋物には、電子レンジで、持てないほど熱く燗をした、3リットル1000円位の安いお酒を飲んでいますが、今年の正月から、時々、冷やした大吟醸酒をワイングラスで飲むようになりました。

大吟醸酒には厳しい定義があります。精米歩合50%以下、という決まりです。有名な獺祭には精米歩合20%台という超高級酒もあります。酒米の70%以上を捨ててしまうのですから、高くなるわけです。

何故こんな勿体ないことをするか。それは「吟醸香」を生み出すためです。米は、もともと、米だけを食べても生きられるほど、栄養豊かな穀物です。ただし、それは玄米や、あまり精米していない米を食べた場合です。

米の様々な栄養素は、米の外側に多く存在し、中心部にはほとんど含まれていません。精米歩合50%の酒米は、実は、あまり栄養素を含んでいません。飢餓地獄の一歩手前まで追い込まれた、瀕死の酵母が生み出す「死の香り」、それが「吟醸香」なのです。

大吟醸酒には2種類あります。大吟醸酒純米大吟醸酒です。大吟醸酒純米酒ではなく、醸造用アルコールが含まれています。米の使用量が、その分少なくて済むので、大吟醸酒純米大吟醸酒より、一般に安価です。

値段の高い純米大吟醸酒の方が、醸造用アルコールを含む大吟醸酒より優れて旨いか、というと、必ずしも、そうとは言えないという批評家もいます。醸造用アルコールには、「吟醸香」を上手に引き出す効果がある、というのです。

しかし、今日のメインテーマは、そういう複雑な話しではなく、大吟醸酒の値段です。何と、720ミリリットルの大吟醸酒や、純米大吟醸酒が、1000円前後で買えるのです。

現在、コンビニのワインは500円前後ですから、その2倍の値段ですが、日本産のワインや、ちょっとまともなワインで、1000円で買えるものが存在するでしょうか。

誰でも知っている、有名メーカーの、精米歩合45%の純米大吟醸酒が、1000円ちょっとの値段で売られていることに、この正月、気が付いたという次第です。