石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

伝統的な日本酒は樽の風味

日本酒が、今味わっているような、スッキリした風味になったのは、ごく最近のことだろうと思います。

大昔の酒はどぶろくで、米の栄養とアルコールによる酔いを、少しの無駄もなく、すべて摂取していました。どぶろくの味わいは複雑濃厚ですが、すっきり感は望めません。

贅沢のできる支配階級向けに、どぶろくを濾したり、絞ったりして固形分を除くようになり、次第に清酒に近づいて行きます。総合栄養食品からアルコールドリンクへの進化です。だんだんと現在のスッキリした味わいに近づき、幕末には、ほとんど現在と同じ清酒になっていたと思われます。

しかし、その風味は全く別物だったと確信します。

その理由は、ごく最近まで、日本酒はすべて樽酒だったからです。

樽酒の風味は、日本酒の風味というより、樽の風味です。

ウイスキーの風味が、樽の風味であるのと同じ意味で、醸造と輸送、貯蔵に木の樽が使われていた間は、日本酒の風味は、大部分、樽の風味だったということです。

精米歩合23%の純米大吟醸の、繊細微妙な風味を味わえる状況ではありませんでした。