野球でもサッカーでも、試合が始まったら、監督の仕事は一つしかない、と私は確信しています。
それは、交代させる選手とタイミングを見定めることです。
監督が、ファンと同様に試合を観て、一喜一憂していては意味がありません。
120分の熱闘のあいだ、選手を6人交代できるのに、2人しか交代せず、1点取られた115分になって、慌てて選手交代したのは、監督が試合を観て選手を見ていなかった、と言われても仕方ありません。
それとも、人材と能力不足のために、交代させられる選手がいなかった、とでも言うのでしょうか。
(追伸: 新聞を読み、65分に2人交代していたことを知りました。それを加味しても、汗だくの戦いの中、選手交代がスペインより20分遅く、2人の交代枠を無駄にした責任はまぬがれません)
もう1点。
これまでの戦法を180度転換し、相手のボールを取りに行かず、スペインに自由にボール回しをさせたのは、重大な作戦ミスだと思います。
それとも、日本のフォワードには、ボールを追い続けるスタミナがない、とでも言うのでしょうか。
スペインが同じ戦法を採るならOKだったでしょうが、相手がボールを取りに来るのですから、能力の差が極めて大きく見えてしまいました。しかし、両国の選手に能力差は無かった、と私は確信します。
金メダルを争う短期のトーナメント戦に、半年間、仲間内で怪我をしないように戦い続ける、リーグ戦の甘い戦法は似合いません。
勝負は時の運ですが、今回の敗戦責任は選手にはなく、甘い戦法を採用した上、選手交代の枠を使い切れなかった、監督がすべて負うべきものと思います。