オリンピックの開催と太平洋戦争の開戦時の雰囲気が似ているというこの記事の主張は、私の基本認識と共通する部分がありそうです。
しかし、何をどう変えるべきかという認識で一致することはないでしょう。
この記事の結論はこうです。
日本政府が満州事変という軍部の違憲行為(統帥権干犯)を適切に処理していれば、先の大戦は避けられた可能性が高く、同じように国立競技場の問題が発覚した段階で組織のガバナンスを改革していれば、ここまでの事態には至らなかっただろう。
これは無いものねだりです。
戦前の日本政府に、当時の最高最強のエリート集団であった軍部をコントロールする力はありませんでした。
同じように、現在の日本政府に、現在の最高最強のエリート集団である日本医師会をコントロールし、コロナ対策に協力させる力はありません。
なぜコントロールできないのでしょうか。それは、日本の空気(マスコミに煽られた世論)が、時の為政者に勇気をもって決断させ、責任を取らせる意思がないからです。
強い政府を嫌う日本の空気(マスコミ)は、政府に、重大問題で冷静な決断をさせるつもりがないのです。
太平洋戦争の開戦も、緩慢なコロナ対策も、空気(マスコミに煽られた世論)の力に流されただけで、権力者が、思い切った決断をしたわけではありません。
悪いのは弱い権力者ではなく、空気、すなわちマスコミに煽られた世論です。
残念ながら、これが日本の民度です。