石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

「私には家族がない」

先日、「なつぞらの」脚本が素晴らしい、と書きました。しかし、できれば避けてほしかったのが、「私には家族がない」というセリフと、あの場面です。いかにも日本的な家族ドラマですが、あのセリフなしで、あの場面を使わずに、家族の意味を伝えられたら、革命的な脚本になったかもしれません。

家族とは効率的に子育てをするために進化した仕組みであり、ヒトの家族は、類人猿にも例を見ない特殊なもの、と私は「愛とは何か 悟りとは何か」に書きました。子どもから見ると、家族とは、巣立ちし、独立するまで育ててくれる、有難い仕組みです。

ヒトの家族はきわめて特殊ですが、その最も進化した姿が、里子を育てる家族とペットを育てる家族だと思います。日本では、ペットを育てる家族はいくらでもいますが、里子を育てる家族はきわめて希少です。その原因が、「私には家族がない」といわせる日本的で、特殊な心情にある、というのが私の見立てです。

今後の日本のためには、家族を、「独立するまで育ててくれる、有難い仕組み」と機能的にとらえる脚本があってもいいのではないか、と考えた次第です。