「スペイン風邪」を知らないので、私は本物のパンデミックを経験していないでしょう。
ただ、夕張市で生まれ育った関係で、子供のころ経験した「小児マヒ」のことは忘れられません。
1960年、昭和35年、夕張市から爆発的に流行した小児マヒ(ポリオ)は、北海道全体で1602人の子供が罹患し、127人(7.9%)が死亡、約830人にマヒが残った、と、札幌オリンピックのテーマソング「虹と雪のバラード」を作詞した、河邨(かわむら)文一郎は書いています。
注射するアメリカ製のソーク・ワクチンと、甘いシロップを飲むだけのソ連製の生ワクチンを比較すると、子供の間では、圧倒的にソ連支持者が優勢でした。
夕張市を中心とした”小児マヒの大流行”は、”スペイン風邪のパンデミック”とは比較になりません。
しかし、現在流行中のコロナウイルスが引き起こしているパニックを見る時、当時、夕張市やその周辺で赤ちゃんを育てていた、若いお母さん達の経験した恐怖感がいかほどだったか、同情を禁じえません。