巣立った若いオジロワシに悩まされるのは、石狩ばかりでなく、ノルウェーのSmolaのオジロワシでも同じでした。
これは2019年の記録ですが、2月5日に、この巣の主人である男爵が、若ワシと争い魚を奪われる、という事件が起こっています。
しかし、餌がからま無ければ争うことはなく、若ワシが巣のすぐ近くで宿泊することを許しています。2月24日に宿泊したこの若鳥はSoloと呼ばれ、この巣で育ったワシと考えられています。
しかし、3月19日に男爵夫人が産卵してから、夫妻の若ワシに対する態度は一変します。巣に寄せ付けない、厳しい対応に変わるのです。
4月3日の様子ですが、近くに来た若ワシを、夫婦が協力して追い払います。石狩のオジロワシには、この厳しさが欠落しています。
それが悲劇の根源です。若ワシにとって、巣にある小さくて動くものは、餌でしかありません。
雛を守り育てる本能は、40日間の、長くつらい抱卵を経験しなければ、目覚めないということでしょう。