池田氏の素晴らしい論文が出ました。
学生時代、ローマクラブは、地球を救うには人口増加を止めるしかない、という観念を、私の頭に強烈に植え付けました。
しかし、
1972年、ローマクラブは『成長の限界』というレポートで、石油、石炭、天然ガスなどの天然資源が2004年までに枯渇すると予言し、大きな反響を呼びました。しかしそれから50年たった今、どの資源の可採埋蔵量も当時より増えています。
ローマクラブの予測は、完全に外れました。
同じように、
2013年に国連IPCCの第5次評価報告書は、2100年までにCO2排出量が最大で現在の3倍以上に増えると予想しました。ところがIEAの世界エネルギー見通しでは、2020年の世界のCO2排出量は前年より8%減り、今後もほぼ横ばいと予想しています。
何と、日本のエネルギー消費は、2000年代にピークアウトし、減り続けています。
しかし、私はローマクラブ世代の人間です。人類の幸福のためには、人口は増やすべきでない、と今でも固く信じています。
人類は、ほかの動物のように、子育ての成功だけを生きがいとする状態から、むしろ人口増加を抑制し、子育ての代りに、社会における自己実現を生きがいとする方向に進化してきました。
私は、地球上の人口が、日本のエネルギー消費のようにピークアウトし、減少に転じる瞬間が、一日も早く来ることを願っています。