気温が上昇カーブを描く午前中ではなく、太陽光を受けて表面温度が高温となる日中こそ、大量の水蒸気が上昇するため、遠距離撮影は避けるべきと、ようやく悟りました。
300m近く離れた撮影地点から、焦点を合わせようと苦労していた午後2時、モエレの巣に、枯草をつかんだ春恵が不意に入ります。その場面はモニターで見ていましたが、撮影スイッチを押す時間がありませんでした。
従って、それまでは一二郎が雛の面倒を見ていたことになります。
https://www.youtube.com/watch?v=bZQvNognwUg
意外なことに、モエレの巣では、雌雄のシフトチェンジがスムーズに行われているようです。
せかされるようにして、狩りに飛び立った一二郎は、12分という驚くべき速さで、生きた魚をつかんで巣に戻ります。そんな次第で、今回も、戻ってきた場面を撮影できませんでした。
いずれにしても、一二郎は素晴らしい狩りの能力をもっています。
しかし、もっと驚いたのは、あの控えめだった春恵が、強引に、一二郎から魚を奪ったことです。
春恵が一瞬、足を離したすきに、魚が飛び跳ねます。
一二郎がふたたび狩りに飛び立ったのち、春恵は、約1時間、休みなく雛に給餌しました。
何と、食欲旺盛な雛が2羽いたのです。
小さい方でも、防風林の雛より大きく見えます。
そして、既に、かなり激しい兄弟喧嘩を始めています。
なるほど、夫婦が協力して頑張るはずです。そうしなければ、2羽の素嚢を満たすことなど到底できません。