オジロワシの夫婦は、ヒトの夫婦と同様、千差万別で、本能に支配される領域はほとんどない、と以前書いたことがあります。
数年前に観察した、抱卵中の不倫交尾にも匹敵する、雄ワシの信じられない行動を、今日、モエレの巣で目撃しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ehljTwRbumU
何と、雄ワシ(一二郎)が、巣に餌の魚を運び込み、抱卵している雌ワシ(春恵)に渡すことなく、その鼻先で独り食べ尽くしたのです。
白頭ワシの雄には、決して許されない行動です。
欧州のラトビアやノルウェーのオジロワシでも、巣に運ばれた魚は雌のものと決まっています。
雌に餌を渡したことがない防風林の雄ワシでさえ、雌の鼻先で魚を食べたことはありません。
一二郎は、何のために魚を巣に運んだのでしょう。極めて不可解です。
食べ終えた一二郎は、すぐに巣を飛び立ちました。
今度こそ春恵のために、魚を獲ってくるだろうと帰りを待ちますが、1時間後、手ぶらで戻ります。
一二郎は、巣から東へ100m離れた白樺にとまり、いつまでも、巣に入りませんでした。