石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

自己実現は、もともと人口を増やさない、生きがいの創造だった

野生動物の生きがい、つまり存在意義は、子孫を増やすこと、しかありません。できるだけたくさんの子を生み、子育てを成功させることです。

ところで、一定の環境が与えられると、そこで生息できる草食動物の数と、それを食べる肉食動物の数は、自動的に一定の数となって平衡に達します。これが自然の法則です。

ところが、ヒトを含む霊長類は、食物連鎖で自動的に生息数が決まる、という生物の大原則からはずれた動物だ、と霊長類学者の河合雅雄はいいます。自分で人口を自己調節しないと、自滅する存在だというのです。自滅の意味は、飢饉で餓死するか、同種内で殺し合う、ということでしょう。

人は、たび重なる飢饉と、となりの部族を襲って土地と収穫物を奪う略奪戦争を繰り返し、それらを乗り越えて進化してきた動物です。子育ての数を誇る、動物としての生きがいは、はるか昔に、すでに放棄しています。多産は飢餓地獄と略奪戦争の元凶であることを、賢い人類は、とおの昔に理解していたからです。

人は、政治や産業、科学、芸術、スポーツ等々の分野で活躍し、評価されることを自己実現とよび、これを生きがいとする方向に進化してきました。人口を増やさない、新たな生きがいの創造です。

男は、大昔から、自己実現にかかわってきましたが、人口増加は止まりませんでした。しかし、女が本格的に自己実現に乗り出したとき、ようやく人口抑制効果が現れてきたのです。

これは、祝うべき人類の悲願達成でなくて、なんでしょうか。