6月1日午後2時、急に若枝が伸びた防風林に着いたとき、巣は雄が守っていました。運動会があったせいか、防風林までの道路は、いつもより混んでいて、運動会につきものの花火や合図の銃声が雛を驚かせなかったか、心配になりました。親鳥は、昨年も経験しているはすです。
2時15分、雄の鋭い声がします。カラスが貯食を狙っているのです。
複数のカラスに襲われた雄はパニックとなり、信じがたい行動をとります。雛のいる巣から逃げるように飛び立ったのです。雄はすぐに戻ってきたものの、驚いた私は、無意識に声を漏らしていました。
その後も、雄を馬鹿にしている利口なカラスは、何度か巣を襲いますが、雄は、なんとか巣にとどまりました。
2時間後の4時15分、先ほどとまったく同じ状況が再現します。しかも、飛び立った雄は、巣に雛を残して、茨戸方面に飛び去ってしまいます。
今回は、雌が巣の近くに戻っていました。しかし、カラスがいない時ならまだしも、襲われている最中に巣を離れるのは、敵前逃亡に等しい行動です。
あわてて巣に戻った雌は、巣の惨状を見て驚いているようです。雌が、狩りから帰っても、すぐ巣に戻らないのは、獲物が無い時の行動です。雌は、このあと、雄がパニックに陥ったときにチラッと見えた大きな魚を、雛に給餌します。
カラスから雛を守れない無能な雄には、ほとほと愛想が尽きました。来年は、絶対にパートナーを変えましょう。