白頭ワシの巣と同じように、長年にわたって撮影されているオジロワシの巣がノルウェーにあります。巣はノルウェーの海岸に面した松の木に作られています。
２０１６年の７月、この巣で前代未聞の悲劇が起こりました。自分で餌を食べられるまでに成長したオジロワシの雛が、親の留守中に、成長の遅れた兄弟を殺して食べ、巣に戻った母親も、その肉をちぎって雛に与え、自分も食べたのです。
なぜこんな悲劇が起こったのか。その原因は兄弟の著しい成長の差にあります。兄弟が孵化した時期はほとんど同じで、初期の成長に差はありませんでした。食べる順番を決めるために、幼い兄弟が激しい喧嘩をすることはごく普通のことで、そのために著しい成長の差が生じることはありません。
この種の兄弟ゲンカはごく幼い時期に起こるので、ダメージはそれほどありませんが、この年、兄弟ゲンカはやや大きくなるまで続き、そのため、弱い方に強いダメージが残った可能性があります。
もう一つ考えられることは、この年、餌の魚が不足していた可能性です。巣に、猫や子羊まで運ばれているからです。
