チゴハヤブサの餌渡しの撮影は、とても難しいです。
第一に、きわめて速く飛ぶため、カメラが追いつきません。
第二に、餌をもった雄がいつ戻るか、見当がつきません。モエレ沼で、オジロワシの狩りを、果てしなく待つ心境に近いものがあります。
第三に、生振の営巣地は、猛禽類をじっくり観察するには最悪の環境です。農家の庭先であるうえに、現在、札幌中からダンプカーが数十台集合して、茨戸川の堤防に土砂を運び込んでいます。狭い農道は引っ切り無しにダンプが行き交い、雄の帰りをのんびり待てる場所はありません。
そんな悪条件下で撮影した、餌渡しの場面です。
餌渡しを見た帰り道、防風林で久し振りに出会った、孤独な雌のオジロワシの映像です。
2年連続して子育てに失敗したこの雌が、来季、防風林の巣で繁殖に再チャレンジする可能性は、ほとんどないような気がします。