防風林の巣を見に行くとき、私は、雄が巣にいることを願います。
なぜなら、雌が巣に戻るときは、餌の魚をもち帰るが、雄が戻るときは、手ぶらだからです。
午後1時過ぎ、防風林に着くと、ちょうどオジロワシが飛び去る所でした。飛び去ったのが雌であってくれ、と祈りましたが、カメラをセットして見ると、巣にいたのは、残念ながら、雌でした。
仕方なく、雛への給餌が撮影できれば、と期待して待ちますが、一向に動きがありません。
約1時間後、カラスが騒がしいことに気付き、周囲を見回すと、巣から南西に100m離れた畑で、雄が何か食べています。
尾の大きさからして、かなり大きな魚です。
巣の近くまで魚を運んで来ても、この雄が、雌に獲物を渡したことは、これまで一度もありません。
雄にとって、巣に餌を運ぶことは、極めて大きな自己犠牲をともなう行動であり、雌による、厳しい躾けや教育を必要とする行動のようです。
餌を食べてしまい、手ぶらとなった雄は、なかなか巣に戻れません。
雄は、かれこれ1時間畑にいて、ようやく巣に戻りました。
その後30分待ちましたが、残念ながら、雛への給餌は撮影できませんでした。