フロリダ半島の西海岸にあるCaptiva島の、1羽残った白頭ワシの雛が、足から出血しているようです。
数日前、足が巣材の枝に挟まり、一時、抜けなくなったことはありましたが、その危機は乗り越え、元気に餌を食べていました。
多分、別の事故による負傷でしょう。
1年前、白頭ワシの雛が翼から出血し、それほど大出血にも見えませんでしたが、2日後に死ぬ場面を見ています。
動画を見る限り、今回も大事になりそうな予感がします。
動画の説明を読むと、ネズミ毒の可能性があるので、巣の管理者に雛を助けるよう、連絡したということです。
ネズミ毒の意味は不明ですが、恐らく、殺鼠剤として使われるビタミンK拮抗薬ワルファリンを想定していると思います。しかし、雛がワルファリンを摂取したとは思えません。
青魚が主食の雛の血液は、きわめてサラサラであろうと想像されます。他方、出血を止めるのに必要なビタミンKは腸内細菌によって供給されますが、雛の腸にはまだ十分な腸内細菌叢が形成されていない可能性があります。
そのため、雛の出血はなかなか止まらないのでしょう。恐らく、この現象をネズミ毒と表現したのではないか、と思われます。
人の場合も、出産直後の新生児には、脳出血を予防するため、ビタミンKが与えられます。
追伸:白頭ワシの雛が翼からの出血で死んだ記事は、丁度1年前、2020年1月16日に書いていました。
下の動画はその時の様子です。当時、餌の魚に釣り針が残っていて、この針で負傷したのではないか、と考えられていましたが、検死の結果、釣り針は発見されませんでした。
雛の出血は止血しにくい、ということでしょう。