石狩のワシ派、タカ派

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デフレの原因は製造業の空洞化ではなく、上がらない最低賃金

ついに日本のデフレの正体を発見したかのように、池田信夫氏が、製造業の空洞化がデフレの原因という記事を書いていますが、これは完全に誤りです。

なぜなら製造業の空洞化は先進国に共通する現象だからです。

池田氏は、豊田章男会長の記者会見に衝撃を受けます。

自動車の国内生産比率が34%しかない。トヨタはまだ「国内300万台」で38%とがんばっているが、ホンダと日産は16%しかない。

そして、

こうした製造業の空洞化による国内投資の不足が、2000年代以降のデフレやゼロ金利の最大の原因である。

と結論づけるのです。

しかし、製造業の空洞化はアメリカを先頭に欧米先進国に共通する現象ですが、ほかの先進国ではデフレは見られません。

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デフレの原因は最低賃金が上がらなこと、という私の持論と岡本説が一致しました。

岡本氏はいいます。

私の住むカナダ、ブリティッシュコロンビア州の例です。

95年10月までは7ドル、その後じわっと上がって01年11月から8ドル、11年に8.75ドル、12年に10.25ドル、その後も断続的に上がりこの6月からは15.20ドルになります。

ざっくり20年で最低賃金が9割も上がるのです。

それに伴い、低い賃金だった人もスライド式に上がり、賃金は全体的にどんどんインフレ化しています。

それが様々な物価上昇にも当然つながっているのですが、経済はより活性化しています。

こんな簡単なことに、日本の優秀な経済学者は気付かないのです。

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本当に重要なことは、最低賃金の上昇によって起こる次の現象です。

産業に淘汰の風を吹き込んだことでしょうか?ダメな会社や事業は駄目であり、より高いレベルのビジネスが要求されるのだと。

つまり物価上昇と共に経営者も労働者の質も共に上がらざるを得なくなり、ゾンビが許さない社会となったのです。