ロシアや中国のような長い歴史をもつ独裁帝国も、やがて民主主義国家に進化しうる、という考えは、独裁より民主が優れていると考える、民主主義者の思い上がりだったようです。
中華帝国の経済的成功により、共産党独裁でも、民主国家と互角に、経済発展しうることが証明されました。
選挙権がないからと言って、独裁国家の国民が、民主国家の市民と比べて、不幸とは限りません。
歴史を観れば、中国人は皇帝の絶対権力が安定している時にだけ、経済的な豊かさと一定の自由を謳歌できたのであって、皇帝の権力が弱まり、王朝が交代する時期には内乱と殺戮しかありませんでした。
同様に、一般のロシア人は、ゴルバチョフやエリツィンのような弱い指導者による混乱より、スターリンやプーチンのような独裁者による安定を歓迎しています。
ロシアや中国ばかりでなく、世界には、民主政治の不安定よりも、独裁政治の安定を求める人々や国家が多数存在します。
世界はこの先、ロシア・中国を中心とした独裁国家リーグと、日本や欧米を中心とした、民主国家リーグが対立することになるでしょう。
味方の理念の方が、敵方の理念より優れている、という思い上がりを、お互いが捨てれば、平和共存も可能かもしれません。