東ドイツ化するドイツの憂鬱
川口 マーン 恵美さんが、アゴラに上記の記事を書いています。
https://agora-web.jp/archives/230911005113.html
緑の党には1980年の結成当時、70年代に共産党の独裁政権を夢見ていた過激な左翼の活動家が多く加わっていた。当然、ドイツの政界では、いまだに極左の残党が力を振るっている。彼らの体内で今なお、かつての思想が血となり肉となって息づいていることは言うまでもない。
例えば、
現ドイツ首相であるショルツ氏は80年代、東独の独裁党SEDと極めて近かった。当時の東独政府からは、「“平和闘争”における信用できる同士」として一目置かれていたことが、シュタージ(東独の秘密警察)の資料で明らかになっている。
さらに、
メルケル前首相(CDU・キリスト教民主同盟)も、東独での大学時代はFDJの幹部として文化部門を担当していたというし、その後の政治からも、社会主義者であることは透けて見える。
そして、
かつて極左のテロ組織に所属し、警官を攻撃したり、資金集めの犯罪に加わっていた人たちが、何のお咎めもなく、今、政治家でいられる
結論。
ドイツの統一とは、経済では西が東を圧倒的に支配したものの、30年後の今、思想的には東の勝利が確定しつつある。
最後に、アゴラの記事に残した、私のコメントです。
ドイツには、東ドイツの共産主義独裁政治の恐ろしさを身をもって経験した人々が、まだ多数生き残っているはずです。
その上、旧ソ連邦に憧れるプーチンが、ウクライナ戦争を引き起こし、さらに、領土的野心を隠さない中国共産党は、台湾の武力併合さえ視野に入れています。
まともなドイツ人が東ドイツや共産主義に憧れるとはとても思えません。
しかし、共産主義の亡霊はなかなか消えないようです。
身の回りを見ても、青年期に共産主義にシンパシーを持った人で、その幻想を完全に払拭できた人を、まだ見たことがありません。