石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

石狩川の河口で狩りをするオジロワシ

真冬の石狩川河口で、餌を食べるオジロワシに、はじめて出会いました。

 快晴の朝、放射冷却のため、石狩川の気温はマイナス10度をはるかに下回り、河口橋の上流部は一面凍結していました。しかし、石狩湾の干満の差で海水の出入りが激しい河口付近は、水面が広く開け、カワアイサをはじめ数種類の水鳥が活動しています。

 石狩川西岸の桟橋には、この時期、カワガレイを釣る多数の竿が並んでいます。桟橋に立つと、500メートル離れた対岸の流木に、いつもの若いオジロワシが止まっています。ジッとしているワシが何を待っているのか、何をねらっているのか、ここ数日、何を食べたのか、見当もつきません。

 河口橋を渡って東岸に回りました。土手の道を進み、雪でおおわれた西岸の砂丘がよく見えるところで車を止めました。車を出て双眼鏡を対岸に向けると、大きな鳥の慌ただしい動きが眼に入りましたが、対岸までの距離が遠すぎて、双眼鏡では様子がつかめません。

 急いで三脚を立て、入手したばかりのニコンP1000をその上に乗せ、水際をスキャンしました。3羽のオジロワシが妙に落ち着かない動きをしています。焦点を合わせると3000ミリを超え、限界に近い距離です。録画ボタンを押し、息を殺してモニターを凝視すると、かなり大きな黒い何かを食べています。鮭のホッチャレでないことだけは分かりましたが、家に戻り、コンピューターの27インチ・モニターで繰り返し見るまで、それが鵜であることは、分かりませんでした。鵜の特徴的な嘴は、「その2」の映像に出てきます。

 マイナス10度を超える寒さのなか、餌となった鵜は凍結していない新鮮な状態で食べられています。オジロワシは、鵜の死体を発見したのではなく、生きた鵜を狩りで仕留めたのではないか、と私は考えています。オジロワシは、どのようにして、鵜を仕留めたのでしょうか。

 鵜やカワアイサは、冬でも石狩川に潜り、魚を獲っています。潜水する様子は、土手からよく見えます。石狩川は深いので、カワガレイを獲るには、かなり長い潜水時間が必要です。オジロワシは、岸辺の流木や流氷の上から、その様子をいつも見ているのです。

 飛ぶ水鳥をワシが空中で狩るのは大変なことです。水に浮いている水鳥も、ワシが近づけば飛び去ります。しかし、もし、魚を狙って潜水した水鳥が、浮上してくるタイミングに合わせてワシが飛び立ち、鷲づかみにするとしたら、狩りが成功する確率は、他と比べてグッと高まるかもしれません。

 流木に止まっているオジロワシオオワシは、ただボーっと水鳥を見ている訳ではない、ということになります。

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